TUBE Live Around Special 2002

Good Day,Sunshine

ナゴヤ球場 野外ライブレポート

Live Around Special 2002 「Good Day,Sunshine」

2002_1 2002年8月3日(土)ナゴヤ球場での野外ライブに参加した。今年はホールツアーが無く、実に1年ぶりのライブである。待ちに待ったライブは前ちゃんの「ただいまー」という第一声から始まった。
実は、ナゴヤ球場での野外ライブは昨年が最後とされていた。ナゴヤ球場自体が取り壊されてしまう為、というのがその理由だったのだが、何やら予定が変更になったらしく、今年もこのナゴヤ球場という場所での野外ライブが実現した事は、この場所に思い入れのある俺にとっては非常に嬉しいことであった。しかし、ナゴヤ球場は昨年のそれとはまったく形が変わっていたのが少し切ない印象であった。待ち合わせに多くの人々が使っていたスタンド席に通じる大階段部分はばっさりと無くなり、売店コーナーも無ければ、3塁側のスタンド席もろくに無いという、非常にコンパクトな形態と化していた。

2002_2 1塁側スタンドは形は一応あるものの、老朽化が進んでいて危険という理由で観客を収納することなく、座席は空いたままという公演である。
スタンド席がフルに有効に使えない為か、ステージは球場の作りに対して斜めに設営され、去年までは直に見る事の出来なかった球場に作りつけのスコアボードが、ステージの右側に見えているという、やや違和感のある景色の中でライブは始まった。

1.ガラスのメモリーズ
2.夏を抱きしめて
3.シーズン・イン・ザ・サン
4.月と太陽

2002_3 開演予定時間の18時を10分ほど過ぎた頃、サポートメンバーに続いて前ちゃんを除く3人のメンバーがステージの所定の位置に着く。今まで座っていた観客も総立ちになり、興奮の中始まったオープニング曲は、俺的にはかなり意表をつかれた「ガラスのメモリーズ」であった。前ちゃんはまだ現れない。今年はどこから登場するのかと期待に胸を膨らませつつも、探しまくることほんの数秒の後、スポットライトが照らし出したのは、センターステージ中央に高く設営された鉄塔のいちばん上だった。後から判った事なのだが、この鉄塔は地上30メートルの高さなのだそうである。
「ただいまー」という元気な前ちゃんの第一声に球場全体が沸き上がり、そのまま興奮は一気に急上昇。高い高い位置から前ちゃんはロープに吊り下げられて、歌いながらゆっくりと降りてくる。まるでサーカスのような演出である。空中でアクロバティックに一回転なんかしたりして、それがまたカッコイイのである。
1曲目が終わる頃には、前ちゃんも降り立ってステージ上に4人のメンバーが揃い、そのままエンジン全開。意外にも今年のアルバム曲からのナンバーは一切なしの4曲を立て続けに演奏。その4曲がまた暑いナゴヤ球場をさらに熱くさせるナンバーばかりで、このオープニングで確実にナゴヤの気温は上がったに違いない。

MC。
「はじめまして。」(バツが悪そうな静かな口調)
4曲を終えての最初のセリフにしてはちょっと変である。会場は失笑に包まれる。
「はじめまして。・・・TUBEです。去年までは俺たちの弟分がここでライブを10年もの間やっていましたが・・・・はじめまして、TUBEです。」
「去年はナゴヤ球場最後ということで、全国的にビデオまで発売しましたが、皆さんの署名や地元の方々の熱い要望などもありまして、今年もこうしてまたライブをやることが出来るようになりました。地元の方が言うには、盆踊りとTUBEのライブだけは欠かせないと言うことで。ただひょっとしたら、今年が最後になるのかも・・・・しれない。」
「名古屋の夏は暑い暑いと聞いていたけれど、本当に暑い。この暑さに負けないよう、そして今年が本当にこのナゴヤ球場がいつ最後になっても悔いの無いよう、盛り上がっていきましょう。」

5.真夏へCount Down
6.僕達だけのSummer Days
7.Smile

「真夏へカウントダウン」の曲の途中で、カウントダウンをする所では、ステージ両脇に設営された巨大スクリーンにカウントダウンされる数字が大きく表示されるという演出あり。会場が1つになってみんなで声を揃えてカウントダウンをすることが出来た。さらには「Let's go!」のところで、ステージから客席に向けて銀色テープを火薬を使って打ち上げる演出もあり。風向きが悪かったのか、高く打ち上げられた大量の銀色テープは風に吹かれて大半がステージ側に戻ってきてしまい、スタッフさん達があわてて片づけに追われていた。
「Smile」はオリジナルバージョンでの演奏。1992年の「夏ダヨ!全員集合」の時みたいなライブならではの、後半のメンバーと観客のかけ声の駆け引きを俺的には非常に期待していたのだが、残念ながら今回はこれは無しの、普通の演奏だったのがやや残念。

2002_4 MC。 春ちゃんとカックンの2人はメインステージより1段高い位置に座っている。前ちゃんは下のメインステージ。
春ちゃん&カックン「前ちゃんもこっちへおいでよ。高くて気持ちいいよ。」
前ちゃん「何言ってんだよ、俺は最初もっと高い所にいたんだぞ。開演前に俺がいちばん上で震えてスタンバイしていたら、遅れてきたマナーの悪い客が俺を見つけて、前ちゃーんとか言って手を振るんだよ。俺も手を振ったら危うく落ちそうになっちゃったよ。」(笑)
前ちゃん「春っておかしいんだよ。今日だって開演5分前だよ。'あっ' とか言って、何かなーと思ったら、'ストレッチしなきゃ' とか言って、アキレス腱をちょっと伸ばして、'よしっ' とか言っちゃってるんだもん。ホントおかしいよ。」(笑)
前ちゃん「しかし、名古屋は暑い暑いと聞いていたけど、本当に暑いね。みんな大丈夫かーっ!?」
前ちゃん「しかし、ユンケルって本当に効くよね。春なんてユンケル必ず飲んでるもんな。・・・なぁ?」
春ちゃん「うん、効く効く。」
前ちゃん「ナゴヤと言えば、この2人のコントですが、今日もこの2人にしゃべってもらいましょう。俺はちょっとこの間に用を足してくる。」・・・と言って、前ちゃんは一瞬消える。
残された2人、会話が始まることなく、しばしの静寂・・・。
春ちゃん「えー・・・・」
コントどころか、ろくに何のMCにもなっていない。
前ちゃんが、階段を上って2人が座って待つ、高い位置のステージへ。
春ちゃん「あれ?用を足してくるっていってたじゃん・・・。」(笑)
前ちゃん(球場後方の上空を指さして)「あそこ、飛行機雲が出てる。」
会場のみんな、一斉に後ろを振り返って上空を見上げる。確かに飛行機雲が出ている。
前ちゃん「あれ、俺の飛行機なんだよ。でもジェット燃料をケチったらしくって、ちょっと飛行機雲が途切れているなぁー。」(笑)

8.紙ヒコーキ
9.楽園

2曲続けて、アコースティックな雰囲気の中、3人のメンバーはやや高い位置のステージに座ったままの演奏。ステージの縁に足をぶらんと投げ出したように座る姿は、まるで縁側に腰掛けているような雰囲気にも感じられた。メインステージ両脇の2つの巨大スクリーン以外にも、今回はステージ中央のやや高い位置に横長の映像を映すスクリーンが取り付けられていて、そこにカラーのきれいな草原と空をイメージした映像が投影される。最初はその装置が映像を映し出すスクリーンだと判らなかった俺には、そこに映し出される映像の美しさにちょっと驚かされた。

今年のアルバムからの初めての曲は「紙ヒコーキ」であった。アルバムを聴いて、イントロの旋律がなんとなく「Purity」に似ているという印象しか持っていなかった俺にとっては、ライブで聴くとなかなか歌詞の深さというか、新しい印象を受けた、良い感じの曲であった。途中で会場のあちこちで観客が持参した紙ヒコーキを飛ばしている。滞空時間がどれも短いのが難で、最初はそれが紙ヒコーキだとは判らずに、何を投げているんだろう?という印象だったのだが、繰り返して投げられるそれが紙ヒコーキだと判ると、参加する観客が自分たちで演出しようとするその行為に気を取られ、一生懸命目を閉じて熱唱する前ちゃんに知ってもらいたいと願うようになった。カックンは飛ばされている紙ヒコーキを見ながらニヤニヤしているように見受けられた。
3人は座ったままの演奏で続いての「楽園」。ノドを痛めているとは思えないほどの熱唱ぶりで、TUBEの魅力はやはり前ちゃんのこのパワフルで伸びのある歌声なんだなぁ、としみじみと感じた一時であった。

2002_5 MC。
メンバー全員メインステージの所定の位置へ戻ってのスタンバイ。
前ちゃん「皆さん、今年のニューアルバムはもう聴いてくれましたか?」
「聴いた人の中では、これはTUBEじゃない、とか、俺は認めないとか、返品したいとか、そんなような感想を持った人もいるかもしれません。」(おどけた感じ)
「今年のアルバムのジャケットには、初めて太陽を使いました。今までのTUBEのアルバムのジャケットには太陽はいまだかつて使ったことがなかったのですが、それは僕が太陽だからです。」(笑)
前ちゃん「最近ではインターネットで知り合った仲間たちが集まって、オフ会という物をやるそうですね。僕のうちにもパソコンがあるくらいですから。こないだ初めてチャットという物をやったんですが、何で僕だって判っちゃったんだろう?別に僕だって名前を明かした訳じゃないのになぜだか僕だって、判っちゃったんですよ。何ででしょうね?」(笑)
「もちろん僕はキーボードを打てないので、キーボードを打てる奴をそばに置いといて、僕はしゃべるだけなんですよ、 '早く打てー' なんて言っちゃったりしてね。」
「それでライブの後とか・・・きっと今夜もこのライブが終わってから、名古屋の街のあちこちでは朝まで、カラオケなんかしたりする人達がいっぱいいたりする訳なんだと思うんですよ。でも今日はそんなことは必要ない。このメンバーを貸しちゃいましょう。今日はこのメンバーを皆さんの為に貸しちゃいます。生の演奏でここで歌って下さい。歌詞も用意しましたんで、みんなで歌って下さい。僕はちょっと後ろに引いた感じでいますから・・・。みんなが知っている曲じゃないといけないんで、この曲です。」

10.夏だね

センターステージのやや上方に備え付けられた横長のスクリーンに歌詞が表示される。前ちゃんも一緒に歌っているものの、会場の雰囲気を楽しんでいる様子で、どちらかと言えば、聞き役側に回っている感じであった。歌詞が画面に表示されているのにもかかわらず、次の歌詞を一生懸命にみんなに伝えようと頑張ったりして、盛り上げ役に徹していたように見受けられた。

2002_6 MC。
「いやー、みんな下手だね。」(笑)
「なんか暗いよ。もっと明るく楽しく歌わなきゃ。・・・俺の知り合いにもさ、'俺は歌えるぜ'って奴がいたんだけどさ、1オクターブ低いのよ。'夏だねー'なんてさ、歌っているんだけどさ、1オクターブ低いのよ。ま、そいつに比べたらまだみんなの方が上手かったよ。」

「今年はワールドカップということで盛り上がりましたね。僕も開会式に行ったりして盛り上がりました。皆さんも盛り上がったことと思います。」
「あと、最近では外国で活躍している日本人が多くて、すごくみんな頑張っている、活躍してますよね。イチロー、佐々木、伊良部・・・あと忘れちゃいけない野茂」(その他にも外国で活躍している日本人の名前をたくさん挙げる)
「そして、こないだの全米オープンでは惜しかったですねー、丸山選手。実は今日この会場に来て下さっています。」グランド席後方左側の観客からひときわ大きな歓声が上がる。(どうやらこの辺の席にいたらしい。)
「次の曲は、ワールドカップの記念のアルバムにも入っている、この曲です。」

11.I will follow
12.湘南 My Love 2002
13.君となら (噴水シャワーの演出)

「I will follow」はワールドカップ記念のオムニバスアルバムにしか収録されていない曲。しっとりした雰囲気の落ち着いた感じのサウンドに力強いメッセージの込められた歌詞は効く者を魅了させる。この曲は俺はあまり聴き込んでいなかっただけに、ちょっと見直したというか、良い曲だなぁとしみじみと感じた。
「湘南 My Love 2002」はオリジナルは1991年に発表された作品のリメイクである。11年の歳月を経て、メンバー自らの手によって今風に新しくなった曲をこうしてまたここで聴くことが出来るというのはちょっとした幸せであった。変に凝ったアレンジではなく、オリジナルの雰囲気がそのまま大切に生かされていて、この曲に対するメンバーの思い入れを感じ取ることが出来た気がした。特にイントロのストリングスの部分がたまらなくカッコイイ。
「君となら」は俺も大好きなバラードで、期待通りのタイミングで後半の大サビの部分で噴水シャワーの演出。何度聴いても、何度この噴水シャワーの演出を見ても、期待を裏切られない、最高の演出であった。それにしてもずぶ濡れになりながらも、あれだけ力強く歌い続けることの出来る前ちゃんってスゴいとあらためて感心した。

2002_7 (着替えタイム)
メンバー全員が一旦ステージの裏に下がると、ステージ両脇の巨大スクリーンに映像が映し出された。メンバーが通路を通って楽屋に向かって歩いていく映像である。楽屋にたどり着いて着替えを始めるシーンまで映し出されているではないか。会場内はちょっと意外な映像を見ることが出来て、どよめいた感じになっている。生着替えシーンを見ることが出来るなんて、嬉しいやら、恥ずかしいやら。
リョージがテーブルの上に置かれていた名古屋名物のお菓子「ういろう」を食べ始めた。しかしその食べ方が尋常ではない。次から次へと口の中に続けて運び、意地汚いとか卑しいとか、そういうレベルを超えた狂ったような食べっぷりなのである。猛烈な勢いでひたすらういろうを食べ続けている。
そしてリョージはノドを詰まらせてもがき苦しみ、その場に倒れてしまった。救急車が呼ばれて担ぎ出されるシーンが映し出される辺りから、このスクリーンに映し出されている映像はメンバーを生で映し出しているものではなく、あらかじめ用意されてあった映像であることが判り、楽しい演出として見ることが出来るようになった。ちょっとしたアイデアである。なぜだかメンバーがコンビニにたどり着き、前ちゃんは自分たちの曲がCMに使われている缶チューハイを嬉しそうな表情で手に取っている映像や、春ちゃんが花火を買って、ナゴヤ球場の前で花火で遊んでいる映像などが次々と映し出される。
着替え時間の残りがわずかになって、メンバーが慌てて楽屋に戻ってくると、なぜだかまだリョージがういろうをほおばっている。これには会場中が大爆笑。
そして通路を通ったメンバーがステージに向かう映像の後、本当のステージにメンバーが出てきた。

14.燃える煙るモナムール (with Bloodest Saxophone)
15.Bloody Soul
16.I'm in love you,good day sunshine
17.You'll be the champion
18.Lonely Revolution (サポートメンバー紹介)

「燃える煙るモナムール」は昨年はシングルバージョンでの演奏だったが、今年は激しい生のブラスサウンドが強調された (with Bloodest Saxophone)のバージョンでの演奏だった。ダンサーの皆さんも総出演での激しい踊りが披露され、会場全体が動く動く。
「Bloody Soul」は今年のアルバムからの曲。前ちゃんが歌いながらサビの部分「♪赤いブラッディ・マイ・ソォォ〜ル」の部分で、自分の胸を指さす仕草がなかなかサマになっており、カッコ良かった。そして2番の「♪白いブラッディ・ユゥアー・ソォォ〜ル」の部分では前ちゃんは両手を使って、女性のボディラインを描くような意味深な仕草をしていた。この仕草の意味が未だに気になってしょうがないのだが、果たしてこの意味は・・・?
ギターサウンドがめちゃめちゃカッコ良くて俺的にお気に入りの今年のシングル曲「I'm in love you,good day sunshine」がここで披露される。
今年のTUBEの活動は、春先の段階ではなかなか予定が発表されなくて、この曲は、じらしにじらされて大いに待たされたあげくの、期待の最初のシングル曲である。そのサウンドは近年のものとは大きく異なる作り込まれたサウンドで、その多用された打ち込みサウンドに流れの変化を感じたのだが、このライブ会場で演奏された雰囲気は、作り込まれたサウンドと言うよりは、生の演奏に近いライブ感のあるもので、俺はこのライブのサウンドを聴いてこの曲がますます好きになった。やはりいくら作り込まれたサウンドでも、CDで聴くよりライブで聴く方がTUBEの魅力を最大限に表現出来ているのである。どんなに作り込まれたサウンドでも、生の演奏の方が魅力があると言うことは、それだけTUBEがライブバンドであり、毎回これだけ多くの人がライブ会場に足を運ぶということからも、みんな思っていること、感じていることは一緒なのだと思ったのである。正直、嬉しかった。
「You'll be the champion」では昨年と同様、大量の打ち上げ花火の演出。次から次へと惜しげもなく打ち上げられる花火の美しさと、ドライブ感あふれるスピード感のあるギターサウンドがマッチして、自然と顔もほころぶ。ステージセット上のガスバーナーを使った演出で、色の変わる大きな炎を吹き出す演出が今年もあったのだが、点火がうまく出来なかったのか、炎が出ていない箇所が複数あったのがやや気になり、残念であった。全部揃って炎が出ていればさぞかしきれいな演出であったろうに、という感じである。
「Lonely Revolution」の曲中ではサポートメンバーの紹介があった。2001年のホールツアー「360°」での趣向と似ているこの紹介の仕方はかなりイキだと思う。サビの「Only Lonely Revolution」の部分を紹介された者がソロで歌うのだが、ブラスセクションの人はさすがにパワフルな肺活量で伸びのある歌声を披露してくれたりして、会場も大きく盛り上がった。ただこで紹介されたのはサポートメンバーだけで、TUBEのメンバーの紹介がまったくされなかったのは、ちょっと寂しい感じがした。

前ちゃん「それではみんなで一緒にジャンプしよーぜぇ〜ぇ〜」
(みんなでジャンプ)

ここで本編終了。

< アンコール 1 >
19.センチメンタルに首ったけ
20.一気・本気・元気
21.イケイケ'93
22.Heart of Rock'n Roll
23.HOT NIGHT (水柱の演出)

2002_9 アンコールを待つ間、チューブコールとウェーブとジェット風船で観客はひたすらその時を待つ。照明さんもウェーブを煽ってくれたりなんかして、これは何回やっても嬉しい演出。俺は今回スタンド席だったのだが、ウェーブはスタンド席ならではの観客参加型の楽しい盛り上がり方だと思う。自分がウェーブに夢中であまり会場の雰囲気を把握出来ていなかったのだが、グランド席でも縦型のウェーブが繰り返されていた模様。

アンコール1発目はなんとなんと「センチメンタルに首ったけ」であった。メンバーがステージに現れるやいなや、もの凄い数のジェット風船がナゴヤ球場の上空を埋め尽くす。はっきり言って、この数の、この大量のジェット風船の数はナゴヤ球場においては過去最大ではないかと思われるほどの、それはすごくたくさんの数の色とりどりの風船が視界を埋め尽くした。
俺にとってはビデオでしかこの曲の映像を知らなかったのだが、生で見るとまた印象も変わる。昔やっていたとおりのステップで激しく、しかもクールに踊るメンバーの姿には涙がちょちょ切れそうになるほど嬉しいものを感じた。はっきり言ってカッコいいのである。そりゃウルトラシリーズやモナムールダンスをするTUBEだってカッコいいのだが、センチメンタルのステップをクールに決めてしまう彼らはやはり、TUBEなのである。
その後、アンコールにふさわしい曲たちが俺たちを盛り上げてくれ、最後は「Hot Night」である。この曲は、もうこれ無しでは野外ライブは語れないと言うほど、誰からも期待される曲なのではなかろうか。俺もこの曲がもし無かったら、とても物足りなく感じると思う。
ただし今回は冒頭から何かが違うことにいち早く気が付いた。リョージが前ちゃんの横に立って・・(そう座っていないのである)・・立った状態でドラムを叩いているのである。立った状態なのでもちろんバスドラムは叩けない。俺は、打ち込みのバスドラムのサウンドで違和感を感じ、それでドラムのリョージのポジションがいつもと違うことに気が付いた。もうこの設定だけで充分である。俺はこのリョージが立って演奏していることの意味をこの時点で理解し、その時が来るのをいつもより余計に楽しみに待つことが出来た。
そして、大サビの後、いつものタイミングでその時は訪れた。火薬仕掛けの水柱が大きく打ち上げられ、今回はメンバー4人が揃ってのずぶ濡れである。何度見てもこの仕掛けはスゴいと思う。

2002_8 MC。
前ちゃん (リョージに向けて)「初めての体験はどうだった?」
リョージ「いやーっ、最高ーっす。」
前ちゃん「お客様だけを濡らしたりはしません。」(笑)
前ちゃん「もう一丁、まだまだ盛り上がって行きまっせー」

「Hot Night」はマジに良い曲だと思う。ファンが期待しているとおりの、そして今回は期待している以上の演出であり、盛り上がり方だったと思う。マンネリはとかく否定されがちだが、この曲だけは、この演出だけは何年あっても変わらずにやり続けて欲しいと俺は切に願うのである。

< アンコール 2 >
24.あー夏休み
25.恋してムーチョ

2002_10 アンコールのおねだりでファンがかけ声と共にやる「チューブ・チャ・チャ・チャ」をなんとメンバーからおねだり。メインステージ両脇の巨大スクリーンにも「チューブ・チャ・チャ・チャ」の字幕が表示され、メンバーと一緒に会場が一丸となって「チューブ・コール」を繰り広げたのだ。このチューブ・コールは観客がTUBEに対しておねだりをする為のものだと思っていた俺にとっては、TUBEのメンバーが自ら先導してくれることに対して、うれしさ反面、なんだか理由はよく判らないのだが、正直少しだけ違和感を感じたりもした。
アンコール第2弾でも、ジェット風船はかなりの数が飛んでいた。野外ライブにおいては、アンコールもセットリストに組み込まれた予定の曲数とは言え、やはりアンコールに応えてメンバーがステージに出てきてくれる時というのはたまらなく嬉しい瞬間である。例によって白いTシャツとブルージーンズに着替えて登場してきた彼らを見ると、ライブも本当に終わりなんだとあらためて時の経つ早さを恨めしく思う瞬間でもある。あれだけ待ちわびた1年間という時間が、あっと言う間のわずか3時間足らずで終わろうとしているのである。楽しい時間が過ぎるのは早いとはよく言われるが、本当に早過ぎるのである。
「あー夏休み」はダンサーズ総出演での、踊りが主体の演奏であった。しかもその踊りの振り付けが今までに見たこともないような難しいものに進化している。俺はまったく付いていけなかった。曲は一緒でも踊りの振り付けが違うだけで、こんなにも印象が変わるとは。しかも前ちゃんは余裕しゃくしゃくで、広い広いステージをまるでまだ狭いと言うがごとく激しく動き回り、ダンサーズの皆さんの中に飛び込んで一緒に激しく踊っている。しかもその振り付けが間違うことなく、タイミングばっちりで、ダンサーズの皆さんとピッタリと息が合っているのが、スゴすぎるって言うか、不思議なくらいにナチュラルなのである。いつの間に練習したのかって思わず聞きたくなるほどに、歌だけではなく、振り付けもバッチリ決まっていた。さすがである。
息つく暇もなく、これまた大定番の「恋してムーチョ」の方は、振り付けは過去のものと同じだったので、俺はある意味、安心して一緒にライブに参加することが出来た。気持ちよさそうに踊るメンバーとは裏腹に、狭い客席で、隣の人を気にしながらの俺のしがない参加ではあったが、きっとメンバーにもこの俺たち一人一人の熱い気持ちは伝わったであろうと信じたい。
2002_11 MC。
「TUBEの今置かれている現状とか言うか、そういうものをここで皆さんにお伝えしておきたいと思います。」 (まじめな雰囲気で語り始める前ちゃん) 会場は一気に静まりかえる。
「毎年TUBEはこれまでハワイでレコーディングをしてきましたが、今年は東京のスタジオでレコーディングをしました。」
「ハワイでのレコーディングの時はスタッフは、どんな時でも 'OK〜!!' 'Grate!!' の連発で、かなりアバウトな感じでした。僕達も最初はそれでいいと感じていたのですが、果たしてこれでいいのだろうかと、疑問を感じるようになりました。」
「レコーディングスタッフも今年は一新しての新しいTUBEです。俺たちがもうテレビに出ている頃にまだ小学生だったスタッフが、'これはイマイチッすねー' とか偉そうに言うんで、正直言ってぶっ飛ばしてやりたくなった時もありました。」

そして、最後のMCが終わった後、真夏にリリースされた今年最強のバラードシングルがたっぷりと、熱演された。

26.風に揺れるTomorrow

俺はこのライブに実際に参加してみるまで、実際の所、前ちゃんのノドの調子が心配で心配でならなかった。しかし、あれだけ激しく踊って、走り回って、俺たち観客を大いに盛り上がらせてくれた後、ラストの大バラードは、まさしく心に染みいるような、とてもしっとりとした素晴らしい歌声であった。俺はこの時ばかりは余計な事は何も考えずに、前ちゃんの歌声に、歌詞に、そのパワーに、そしてTUBEの世界にどっぷりとひたる事が出来たのである。これぞまさしくエンターテイナー、キング・オブ・ボーカリストであると感じた。日頃から「野外ライブはお祭りだ」と公言している前ちゃん、そしてTUBEだが、聴く人を心から魅了させる事の出来る、この底力、実力が無くては、お祭りも盛り上がる訳がない。みんながただ意味もなく盛り上がる為に、ここに集まる訳ではない。TUBEの素晴らしい演奏、歌声を聞きたいが為にこの場所に集まっているのだ。

余韻の残る後、TUBEのメンバーはいつものようにマイクを通さない肉声で4人揃って「どうも、ありがとう〜」とメッセージを俺たちに伝えてくれた。この瞬間だけはスタジアムの中が静まりかえって、彼らの一挙手一動に目と耳が釘つげの瞬間である。
メッセージの後、TUBEのメンバーはメインステージから一段上のステージへ上がり、そこから退席という雰囲気だったのだが、観客のチューブコールがいつもにも増して、盛り上がる中、なんとなんと、驚いた事に彼らは、俺たちのチューブコールに答えてくれたのである。余分にアンコールをやってくれた訳ではない。俺たちと一緒になって、チューブコールに参加してくれたのである。これは俺にとっては初体験の、まさに驚くべき衝撃的な体験であった。それはかなりの長い時間に感じられた。TUBEのメンバー4人と一緒になって俺たちはライブの成功を堪能しつつ、さらにまだ、スタジアムにいる観客全員とTUBEのメンバーが一丸となって、一緒に名残惜しい最後の一時を盛り上がっているのである。
・・・その後、何度も何度も手を振って、彼らはステージを後にし、ナゴヤ球場でのライブは幕を閉じた。

来年以降、このナゴヤ球場という場所での野外ライブは保証されていない。場所が変わってしまうのかもしれないし、またこの場所で来年も熱い夏の一時をみんなと一緒に盛り上がれたらいいなぁー、なんてちょっとおセンチな特別な感情を抱きつつ、俺の今年の夏は終わった。

2002_12 感動に次ぐ、感動。たいへん満足したライブだったが、実際には幾つかの不満もあった。ナゴヤ球場は昨年までと大きく形状が変化していて、入退場が非常に不便であった。出入り口が球場のキャパに対して少なすぎる。特にライブ終了後は規制退場にもかかわらず、球場を出るまでに非常に時間がかかった。
後のささやかな幾つかの不満は、風向きの加減なのか、ライブ公演中の音が大きくなったり小さくなったり、なんだか安定していないように感じられ、少々気になった。また、ステージ機材を運搬する為のトラックが球場の外に何台も停まっていたのだが、ただの普通のトラックのままで、TUBEツアー用のペイントがまったくされていなかった事。今年のシングル購入者特典の抽選プレゼントとして、ツアートラックのミニチュアモデルが当たる!というキャンペーンをやっている事から察して、俺は今年の野外ライブツアーのTUBEトラックには過剰とも言える期待を抱いていたのだが、残念ながら、これは無し。昨年も見る事が出来なかっただけに、ちょっと寂しい。東京ではシングル第1弾の告知の為だけに、派手にペイントされたバスが街中を運行されていたようだが、やっぱりツアートラックがペイントされていないのはちょっと寂しい。ぜひぜひペイントをお願いします。

ライブ後の満足感と充実感、この余韻は本当に心地よいものだ。巨大スクリーンに映し出された「ありがとう、楽しかったよ」というメッセージと、オルゴール風に場内に流れるお決まりの「Keep On Sailin'」がまた毎回のことではあるが、ちょっぴり切なく心に染みる。
来年も再来年も、ずっとずっとこれからも参加し続けたい、そんな場所であり、そんな空間。感動を本当にありがとう。とりあえず来年までのお楽しみ。






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