TUBE Live Around Special 2001

Soul Surfin' Crew

ナゴヤ球場 ( + 横浜スタジアム ) 野外ライブレポート

Live Around Special 2001 「Soul Surfin' Crew」

2001_1 8月11日(土)、待ちに待ったTUBEの2001年野外ライブツアー1本目のナゴヤ球場に参加した。ナゴヤ球場で開催されるライブは今年で最後なんだそうである。なんでもナゴヤ球場は取り壊されてしまうんだそうで、時代の流れとは言え寂しいものである。しかしそんな事でめげている場合ではない。気合いも充分!ってな感じでの参加である。
ツアータイトルは今年のアルバムと同タイトルの「Soul Surfin' Crew」。
ステージセットはと言うと、丸い玉ねぎのような形の白い色をした球状の物が全部で4つ、立体的に設置されている。正面から見ると左右対称の縦長の菱形のように、その球状の物は鉄骨によってかなり高い位置に設置されていた。

01.Soul Surfin' Crew
02.花火
03.Only You 君と夏の日を

2001_2 開演予定時間の18時を15分くらい過ぎた頃に、テクノサウンドのリズムと共にライブがいよいよスタート。
ステージセットの球状のような物がパカッと左右に割れて、前ちゃん以外の3人のメンバーが登場。玲二はいちばん早く所定のドラムセットの位置に着いて、ドラムを叩き出す。春くんとカックンは、球状の物の下からエレベーターを使ってゆっくりゆっくりと降りて来る。
前ちゃんはと言うと、ホバークラフトみたいなスクーターみたいな乗り物に乗って登場。3塁側のステージ袖から登場し、ゆっくりと1塁側へ。そして、センターステージの先端まで進んだ後、Uターンしてステージ中央に戻り、自分の足でステージに降り立つ。

ここで、それまでは曇り空ではあったものの、何とかもっていた天気がいきなり豹変!激しい雨が降り出し、雨の中でのライブのスタートである。
3曲終わってからのMC。
前ちゃんの最初のMCの第一声は「なんじゃこりゃ〜!」。もちろん大雨に対する感想というか、コメントである。
「10年目のナゴヤ球場、そして今回で最後のナゴヤ球場を悔いの無いようにみんな盛り上がっていって下さい。」

04.Rising Sun
05.Tシャツの恋
06.シャララ

前ちゃんのMC「ニューアルバムの中から Rising Sun ・・」と曲紹介するが、この曲はアルバムには入ってない曲。間違えちゃったのね。
Tシャツの恋 の曲では、カラフルな傘を持ったダンサー達が傘をくるくると回しながらのパフォーマンス。ユーモラスな振り付けだったが、実際に降っている雨がすご過ぎて、なかなかステージに集中出来なかった。この曲はCDに収録されているオリジナルの雰囲気は、素朴なアコースティックギターの音色が何とも言えないイイ味を出している作品なのだが、ここで披露されたアレンジは生ブラスが4本も激しく鳴り響く、ちょっと豪華な感じの悩ましげなサウンドに仕上がっていた。
Tシャツの恋のエンディング間際で前ちゃんのアドリブ「早く(雨)やんで」
雨雲、早く行って。ふー。
意外とこういうのが効くんだ。みんなも一緒に。ふーっ。
口を尖らせて、息を吹いて、雨雲を追いやろうとする姿がちょっと楽しい。悪天候というハプニングでも、会場の観客を巻き込んで、楽しいアドリブがすぐに出来る所が、さすがっ!である。

07.Long Vacation
08.Sea Side Band TUBE (未発表曲)
09.情熱

リンダとオジジが登場。Ridingの曲を披露するかと思いきや、1小節ぐらい歌っただけで、打ち止め。「ハイ、今日はここまで〜。」
伊藤リンダ一義を講師に Long Vacation の振り付け指導。平泳ぎみたいにスーイスイっ。
前ちゃんからのいきなりの衝撃的な発言!「今日は未発表曲をここで披露します。」この魅力的な言葉に、会場はものすごい歓声に包まれる。
「レコーディングした時はいい曲だと思っていても、後から聴いてみるとなんじゃこりゃと言うような曲・・・いわゆるボツ曲っていう、日の目を見ることが出来なかった曲をここで今から演ります。」
未発表曲という Sea Side Band TUBE という曲はとてもコミカルな曲で、TUBEはどんなに頑張っても夏という季節だけしか世間には認められない、という内容の曲。各メンバーのソロの歌声を交えながらのとても楽しい曲だった。スクリーンには歌詞も字幕で出たりして、みんなで楽しめる工夫もたっぷり。

10.Ocean Message
11.サラバ青春
12.十年先のラブ・ストーリー

Ocean Message ではスクリーンに字幕が出る。CDの歌詞カードには載っていなかっただけに貴重。
十年先のラブストーリーでは、前ちゃんいつもながらに、いや、いつも以上に感情たっぷりに歌ってくれて、聴き惚れてしまった。野外ではもはや定番となった噴水が最後のサビの所で高く高く上がった。王道!とも呼んでも過言ではないと言うか、みんなが期待したであろうそのタイミングに上がったその噴水は、照明に照らされて、それはそれはきれいだった。

13.真夏の雪
14.初恋

2001_3 赤い服を着た竹馬のような物に乗った人が出て来て、アジアンテイストなサウンドの中、パフォーマンスから始まる。
ステージのちょっと高い所にバイオリンを弾く1人の女性。生のバイオリンではなく、骨組みだけのシンセストリングスであったが、そのサウンドはとってもきれいなものでうっとりするほど。ステージセットの壁面部分では、ネズミ花火がその場でくるくる回っているかのようなイメージの、水を吹き出しながら回るちょっと変わったきれいな演出も。ライトに照らされて回り続けるその仕掛けは、単純ながらも不思議と引き付けられる魅力があった。
今年のアルバムの収録曲の中でもなかなかの人気を得ている 真夏の雪 が始まった。ボーカルが辿る主旋律とは別に、バイオリンが奏でるもう1つの旋律がとてもきれいで、CDを聴いている時よりも、やはりライブは良い!と納得させられるだけの、鳥肌が立つほどのきれいなサウンドであった。前ちゃんの力強くも悩ましげな歌声と、攻撃的な鋭さを持ちつつもビブラートの効きまくったバイオリンの高音域の音色は、同時に互いを牽制しつつも、互いを惹き立てあって、見事なまでの完成度の高さで、このライブという2度と同じ物はし存在しないであろうと思われる瞬間に立ち会えたと考えると、ものすごく幸せな気分になれた気がした。

15.あー夏休み
16.さよならイエスタデイ
17.燃える煙るモナムール
18.恋してムーチョ

前ちゃんのMC。「ナゴヤ球場でのライブは今回で10回目にして、そして今日で最後です。そこで今日はナゴヤ球場での想い出に残る曲の中からやります。」
誰もが知っている曲はやはりライブ向きかと思われる。その証拠に盛り上がり方が半端じゃなかった。
さよならイエスタデイでは、間奏部分で、前ちゃん対オジジのパーカッション対決が行われる。前ちゃんが繰り出すさまざまなフレーズのパーカッションサウンドに、オジジがそのフレーズをプレイバック。オジジが上手いのは当然だとしても、前ちゃんのセンスの良さにはちょっと驚かされた。
燃える煙るモナムール では、ダンサー総出演でちょっと難しめの振り付けのダンスを豪華に披露。俺的にはぜんぜん付いて行けなかったが、会場は大騒ぎ。やはり動きのある曲は野外ライブには欠かせない。
間髪入れずに、激しい動きのある曲、恋してムーチョ。ステージの上もグランド席も、スタンド席も、とにかく動く動く。みんなの振り上げる腕の動きがダイナミックで、球場が1つになって踊っているようだった。激しく踊って歌って、ライブの本編はひとまず終了。

19.What'cha wanna do?
20.You'll be the champion
21.月と太陽

アンコールをおねだりするウェーブがスタンド席を繰り返して行ったり来たりする。照明さんがスタンド席を煽ってくれたのが嬉しかった。
そして色とりどりの大きく膨らんだジェット風船が揺れながら、TUBEのメンバーが出て来てくれるのを待つ。
そしてちょっと変わったSFチックな衣装に身をまとったメンバーがステージ上に出て来た。なんとなく衣装のイメージは映画スターウォーズに出てくる物のような感じ。いちばん最初に出て来た春くんのギターのネックの先から、緑色のレーザー光線が観客席まで発射される。後で気がついたのだが、ライブグッズとして販売されていた、シルバーのネックレスのペンダントトップのデザインは、この春くんのレーザー光線をモチーフに作られた物だったんだね。
そうそうナゴヤ球場では無かったんだけど、横浜スタジアムではこの時、ステージセットのいちばん高い所にある白い球状のものの上に、プラズマみたいな紫色の雷みたいなものがバシ、バシ、バシッ!と激しく駆け巡って、度肝を抜かされた。
ダースベーター(?)もどきのリンダが、ヒートサーベルで切られたり、犬の骨を拾ったりとちょっと不可解ながらも楽しいパフォーマンスを取り混ぜながら、アンコールの1発目は What'cha wanna do? だった。俺的に今回のアルバム収録曲の中でいちばんのお気に入りの曲だったので、ここではもう壊れんばかりに弾けまくった。・・・ので、イマイチ記憶が定かではない。盛り上がった事だけは憶えているのだけれど、どんな風にメンバーが演奏していたかだとか、歌っていたかだとか、あんまり憶えていなかったり・・・。盛り上がりすぎるとこういう事になりがち。
続いての曲は、これまた激しく盛り上がるナンバー You'll be the champion 。とにかくイントロの春くんのギターがカッコイイ。歌詞の内容もサウンドも、とにかくすべてがノリノリで、叫びまくって、踊りまくった。
印象的だったのは、この曲のイントロの部分で、打ち上げ花火が連続していくつもいくつも上がったこと。ステージセットに組み込まれていた照明のパターンも下から上へと激しく流れて、花火を追いかけているようで、カッコいいサウンドと、イカした演出にしびれまくった。
そしてアンコール1本目のラストは 月と太陽。サビの所でメンバーが腕を左右に降る振り付けをするので、会場のみんなもその動きを一緒にしているけど、たいした理由は無いのだが、俺的にはこの曲にこの振り付けはちょっと好きでは無かったりする。歌詞の内容がちょっと切ない感じの作品なのに、イケイケの振り付けはどうなんだろう・・・って。

22.Beach Time
23.Hot Night
24.サザンクロス

2001_4 アンコール2発目。
松本玲二が最初に登場。「今日は僕の為にこんなにたくさん集まってくれてありがと〜」(笑)。白いTシャツにブルージーンズという衣装に着替えて登場して来たメンバーを見るとライブもいよいよ最後なんだなぁ、と楽しい時間は本当に過ぎるのが早いと、少し寂しくなる瞬間でもある。
1人ずつここでメンバー紹介。

前ちゃんのMC。「TUBEがTUBEであると言われるようになった曲とは?シーズンインザサンだとかサマードリームだとか言う人もいますが、我々の中では違います。ビーチタイムが今のTUBEの原点となっている曲だと思うのです。」

Beach Timeに続いて、俺的に野外ライブでいちばんやって欲しかった曲 Hot Night を今回のライブでは演ってもらえた。イントロの「ほっ、ほっ、ほっ」が聞こえて来た時は気が狂いそうなほど嬉しくて、思わず絶叫してしまった。興奮していたとは言え、周りにいた方々ごめんなさい、っていうくらい弾けまくり。これまた定番中の定番で、大サビの所で巨大な水柱がドッカン!!と打ち上がる。期待に答えてくれるこのマンネリズムがたまらない。これからもずっとずっと水柱を打ち上げる曲として選曲して欲しいと切に願う。この曲って同じようなフレーズを繰り返すせいか、ずっと繰り返していると、次は「Love me・・・」だったか、それとも「kiss me・・・」だったか分からなくなってしまう時がある。今回のナゴヤのライブでは途中、前ちゃんは自分で歌わなくって、観客席にマイクを向けていた時間が結構あった。あのマイクのそばにいた人がとても羨ましく思えた反面、もし自分がマイクの先にいたとしたら、ちゃんと歌詞を間違えずに歌えていただろうか?なんてワケの分からない心配をしてみたりなんかして・・・。余計な心配ってやつね。
激しく激しく盛り上がった後に、いよいよ本当のラストナンバー、サザンクロス。
バラードを感情的に真剣に歌い上げる前ちゃんの表情を、ずっとスクリーンを見つめていた。マイクを引き寄せて掴み、体を激しく震わせて、目をギュッと閉じて、強く強く、とても力強く熱唱する姿に感動した。あれだけ激しく動き回った直後なのに、バラードをきれいに力強く歌い上げることが出来る歌唱力と、情熱、まさにこれがTUBEのボーカリスト、前田亘輝の魅力であると感じた。実は、俺はこのライブのあと、横浜スタジアムにも参加する事が出来たのだが、横浜スタジアムでは前ちゃんはラストのこの曲の時に、真剣に涙を流していた。何かを思い出しての涙なのか、それとも感極まっての涙なのかは俺には判らないが、その涙を見て美しいと思った。涙は美しい。

ライブがすべて終了した後、オルゴール風にアレンジされた Keep On Saling をBGMに、メンバーがステージの端から端まで走って、万歳三唱をしてくれた。そして、ステージの中央に戻った後、最後のナゴヤ球場に別れを告げるかのように、メンバー4人が自分の胸に手を当てた後、その場にひざまずいて、その手をそっとステージの上に乗せる仕草をした。きっと10年間お世話になった感謝の気持ちをナゴヤ球場に自分達の「魂」を置くことで表現したんだと感じた。
BGMの Keep On Saling の音量が小さく絞られて、スタジアムは一瞬静寂に包まれた。約3万人もの観衆が息を呑んでTUBEのメンバーの次の行動を見守っている。
恒例のマイクを使わない生声で「どうもありがとうー!!」
ナゴヤ球場全体に響くその生声は、ライブに参加してほんとに良かったと思う一時である。
来年からはもうこのナゴヤ球場でのライブは無いのだと思うと、ちょっと切ない気持ちになったが、前ちゃんはMCで、「屋根のない所にこだわってライブを続けて行きたい」と言ってくれたから、きっと代わりの会場でまた来年の夏も、暑い、熱い、夏の1晩をTUBEのメンバーと、そしてTUBEが大好きな多くのファンと共に感動を分かち合えると思う。来年もまた絶対に参加しようと思った。






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